1980年9月にリリースされた織田哲郎 & 9th IMAGE名義唯一のアルバム。Vo・G・Prオダテツ以外のメンバーは北島健二(WHYより、G)、松井恒二(のちBOØWYの~恒松、B)、小沼俊明(Ds)、難波弘之(Kb)、鈴木JUN1(Kb)、古村敏比古(Sax)という凄い面子です。内容はと言うと'90年代に大ブレイクするBeingサウンドの原型が既に整っているイメージ。そして丁寧に作られたことが聴いて取れる時代に左右されないメロディックロック。ヘヴィなDsで始まる1.、ロックンロールな2.、プログレハード調の4.、オダテツらしくポップな5.、ロックな8.、美メロバラード9.と全曲お薦めですよ。自動登録できなかった実際の曲順は↓ DAY SIDE 1. Dreamer 2. She's ゴーン 3. Sparking Love -胸につのる想い- 4. めんたいこ 5. Looking for Love NIGHT SIDE 6. 土曜日の夜 7. Sandy 8. しんどい話 9. 昨日までの悲しみ 2.の北島作詞、3.の長戸秀介共作詞、7.の亜蘭知子作詞を除いて全曲織田哲郎作詞・作曲。3.と2.が1stシングルのそれぞれA面とB面、7.は2ndシングル"色あせた街"のB面としてカットされました。3.・6.・7.はタイトルや歌詞を変更またはそのまま後年TUBEがカバー。う~む"色あせた街"が未収録の点のみがつくづく惜しいですね。レア物ゆえ曲単位の動画がほぼ全く不備のためアルバム丸ごと↓からどうぞ。
"~and ALL STARS"名義だった前作"稲村ジェーン"を10thとカウントするとして丁度2年ぶり1992年9月リリースの11th。その前のセルフタイトル9thも13曲入りの力作でしたが今回は更に増量した16曲・73分がCD1枚に収まりました。前作・前々作同様ブルーズロックありR&Bあり'60sポップスありのまさに百花繚乱、そして日本語の使い方を万葉歌人に擬えた通りに絶妙、洗練されています。どこを切っても安心して聴けるいつものサザンです。'90年代前半はBeing、後半は小室や本作を最後にサザンから離れた小林武史らによってJ-POPは隆盛を極めますが、その先駆け的な存在となり基盤を固めたと言えましょう。売れたから名盤なのではなく傑作だから売れたのだと納得の1枚。私も買ったと思うけどまだ家のどっかにあるかなぁ?
1990年9月、桑田佳祐が初めて映画監督に挑戦した作品公開の1週前にリリースされたサントラ盤でサザンとしては10thアルバムになります。全11曲中、3.忘れられた Big Wave、10.愛は花のように (Olé!)の2曲は"Southern All Stars"にも収録。面白いのは4.美しい砂のテーマのようにサザンのメンバーが全く参加しない曲もあるため名義がSOUTHERN ALL STARS and ALL STARSとなっていること。そういう所はキチンとしてます。7月の先行シングル6.真夏の果実を始め非シングルながら人気の高い2.希望の轍など名曲満載の結果オリコンで年間2位、歴代サントラ盤2位、歴代日本映画音楽1位という記録を打ち立てました。映画の方は賛否両論だったようで北野武には"音楽100点、映画0点"とまで酷評されたとか。たけしサンに言われたのは撮り方についてですが、他にも当時から25年前の1965年という時代考証が若者にはピンとこなくて焦点がぼやけた所があったのでしょう。そんな訳で中古CDが投げ売り状態の音楽は100点、映画DVDはちょっとプレミア物な"稲村ジェーン"でした。
本田美奈子のキャリア低迷期として、今となっては顧みられる機会もないMINAKO WITH WILD CATSが’89年に発表した2ndアルバムにして末期の1枚。 一応はバンド名義なのに相変わらず本田以外のメンバー表記はなし、更に豹柄衣装を身に纏った彼女をジャケットに戴き、『豹的』と書いて『TARGET』と読ませる昭和最後の年/平成最初の年のセンスに冷や汗が垂れる向きもあるやもしれませんが、“あなたと、熱帯”みたいな芸能界的ノリの楽曲が姿を消した今作は、前作以上にメロディアス・ロック路線で統一が図られており、キャッチーな“HEARTS ON FIRE”、哀愁を湛えた“WALK AWAY”、ドラマティックなバラード“愛が聞こえる”等、本田の卓越した歌唱力を生かした楽曲が並ぶ本編は聴き応え十分の仕上がりとなっています。 その一方で、THE BEATLESの名曲“HELTER SKELTER”、カナダ出身の女性ロック・シンガー、リー・アーロン/JOURNEYのジョナサン・ケイン/WRABITのジョン・アルバニ共作曲“HEAT ON ME”、スタン・ブッシュとジョナサン・ケインという稀代のメロディ・メイカーのペンによる“SURRENDER”を日本語詞で収録する等、カヴァー曲多めの構成となっているのは、当時の彼女の洋楽志向の発露ゆえか、単に制作時間がなく弾数不足だっただけなのか?ともあれ、いずれも優れた楽曲なのでカヴァー自体に文句はありませんし、難曲として知られる“HELTER SKELTER”に果敢に挑むを様を聴けば、「アイドル上がりでしょ?」ってな偏見もぶっ飛ばされるというものじゃないでしょうか。 この路線でもう2、3枚はアルバムを聴いてみたかったですよ。