紫と言えば、山本恭司と斉藤光浩がメインとして動くBONWWOW G2と共に2024年、スウェーデンで行われたメタルフェス、TIME TO ROCK FESTIVAL24に参戦という驚きにニュースも飛び込み、彼らが今だ現役である事をアピール。今作の充実ぶりを裏付ける事象でしょう。しかし渋いフェスですね。YouTubeでまるまる紫の勇姿を拝めるのでマニアならずとも暇つぶし感覚で良いので視聴して欲しいね。
このバンドはジョージ・紫のバンドだが、プロデューサーとしてソングライティング面でも貢献する、孫世代と行ってもいいChrisの存在が光る。頭三曲タイプの違う楽曲を並べ視聴感を最高のモノへと押し上げる。日本のおける元祖HM/HRバンドの一群に名を連ねる彼ら、その威光がスウェーデンの地に届いたのならば、これ幸いだ。なんと言っても今作のような優れた音楽性を世界中にマニアに知れ渡る事にも繋がる。オープニングナンバーのインパクトに驚嘆させられている間に3曲目のFree Your Soul and Let It Beが流れていたのだが、この中盤で聴けるインストパートにカッコ良さに痺れた、各メンバーのプライドのぶつかり合い、全盛期のDPを彷彿とさせるインタープレイに唸りましたね。
このアルバムは本当に唸らされた。古典も古典だが、全然古くさくない古さに埋没しない感性、それは若いベーシストによってもたらされたのかもしれませんが、メンバー全員が現役であるという事でしょう。アルバムを何回か聴いて一番好きなのはDon't Stand in My WayからドゥーミーなロックナンバーのDon't Look Back!ですね。Raise Your Voiceで拳を振り上げたあとに、こんなエグいの来るとはね。ジョージ・紫の奏でる壮大なイントロから、そっちいく?いやー裏切ってきた。そこが一番好きです。あのギターとリズムにやられた。
爆裂するオルガン、対比するオーソドックスなギターワーク。その滋味深さも最大の推しポイント。7曲目に登場するTalk to the Sunも凄くいい。ドゥーミーなナンバーの次にこれがくるセンスに、やはり持っていかれました。メロディアスって言葉を簡単に使えないよね。エモいオルガンからのギターソロに酔わされました。ジョージの鍵盤プレイとJJの肩の力が程よく抜けた歌声もジャスト。唸るねぇ。
この作品に出会ったのはTIME TO ROCK 2024のあと、もっと前に知りたかったなぁ。バラードのTears of Joyを聴き、JJの歌声に心を濡らしながら本気で思いましたね。クロージングソングとしては最高です。ジョージ・紫の鍵盤に導かれながらJJが情感豊かに歌い上げる様に、やはり唸る。感動したわ。ラストの2曲は無しでいいよ。