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The Alex Parche Project / THE ALEX PARCHE PROJECT
失恋船長 ★★★ (2025-05-03 04:48:07)
テイチクのメタルマニアから国内盤も出ている、ドイツロック界の黎明期を支えた1人と知られているらしいのだが、日本では英米のライターがドイツの音楽をクラウトロックとバカにしていた時代があり、それを意識して適切に扱ってこなかった時代がある。
それ故に、彼の存在はほとんど伝えられてこなかったのだが、正統派メタル冬の時代に、日本のレーベルは本気出して、メタル系の音楽を探していたのでしょうか?遅れてきたルーキーとして、彼の存在が日の目を浴びる事となります。

かく言うワタクシも彼を知ったのは10年位前で、ウド・ダークシュナイダーの副業を調べていたらヒットしたという程度です。そしてアレックスの過去を調べると、ワタクシの興味にピタリとハマり深掘りするのですが、今作に参加したウドを始め、レオン・ゴーウィー、フェルナンド・ガルシア、テッド・ブレット、アマゾネという顔ぶれを見ても、その人脈の広さを垣間見ます。


彼のルーツにどの程度、メタルの素養があるのかは分かりませんが、多様な楽曲を用意、○○風味もあるのだが、ネオクラ風味のインストから変わり種は勿論、オーセンティックなサウンドまで、割と聞きやすい楽曲が中心で、4分を切るコンパクトな楽曲が多いので視聴感も高い、キーボードの使い方がポップスよりというか、欧州エレポップなのが、その役割を果たしている。

ある意味、メタル初心者にとっては、とても聴きやすい部類のバンドなんですね。超絶売れたメジャーロックよりも、マイナー調のメロディと大衆性を完備した奇妙なマッチングを高次元で達成した⑦あたりを是非とも聴いて欲しい。チェロの音色に導かれるパートなどグッとくるだろう。その流れを壊さない⑧のイントロは日本人の心に響く演歌チックな魅力もあり、後半メジャーに展開する曲調はやっぱり聴きやすい。

ちなみに女性シンガーのAmazonさん、今最も検索出来ない名前を持つ不幸な女性シンガーなのだが、元々はポップ系のシンガーでデビュー、その後、フルアルバムをリリースしている。現在は何をやっているのかは分からないが80年代に活躍した女性シンガーだ。ちなみにアルバムの方はメタルバブルも意識した、これまた大衆性を完備したゴキゲンなロックをやっている。

哀愁のメロディと大衆性を完備した、嫌味の無い売れる要素も高い欧州型のハードサウンド、無駄なアレンジを排して聴きやすくまとめているが、けして軟弱に成り下がっているのではない、これがアレックスのルーツなのかも知れないと思わせるのが最大のポイントだろう。

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