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Desecrator / AMBUSH
失恋船長 ★★★ (2025-05-08 06:52:01)
国内盤はSPIRITUAL BEAST からリリースされるスウェーデンの若き野郎どもによる2枚目。所謂NWOTHMになるのだが、彼らは安易な着想による80年代型のトラディショナルなサウンドを志向している分けではない。また、ノリや親しみやすさを前面に出したサウンドでも勢い重視のスピードメタルでもない、本当にど真ん中のサウンドを聴かせてくれる。渡米後のJPみたいな音楽性、そのヘヴィメタルの中庸とも言える音楽性は、シンガーのハイトーンがハルフォードを想起させるという点にもあるのだが、このシンガーはハイトーン系ではない、あくまでも中低音域を駆使して歌う、色気のあるシンガーであり、実はハルフォードもロングトーンが武器ではない、あれは必殺技。本来の魅力は色気のある中低音域だ。
そこにフォーカスを当てると、シンガーはハルフォード系でありメタルの王道である。それは、この重量感のある音作りにも当てはある、過度なヘヴィさではない、お手本となるサウンドがある、それはJPだしスピードメタル時代のRIOTなんかも思い出す、チョイ巻き舌になるのも好きなんだ余よなぁ。
重量感をサポートするリズム隊は安定感抜群、阿吽の呼吸から生み出されるタイトなリズムは人間味があり聴いていて心地が良い。そしてツインギターコンビもオーセンティックなプレイに軸足を置き、派手さはないがバンド感で勝負する音楽性にギターヒーローはいらないという事だろう。覆い被さる強力なアンサンブルが、このブレる事なき正統派メタルファンのハートに突き刺さるだろう。
商業誌片手に右へ左へ大忙し、聴いた事も無い音楽なのに批評家が持ち上げた途端にNEMOPHILAサイコーじゃやってられんよ。付き合いきれません。挙げ句複数アカウントだもんね。
このバンド2025年に新譜を出します。過去3枚のアルバムはHigh Roller Recordsだったのですが、最新作はNapalm Recordsという意表を突いたレーベルなのですが、どう音楽性に変化があるのか、先行公開されている曲も含め、どうなることやら。でも大きな販路と後押しを受けられるので、マイナーな存在では終らない一発をかませられるでしょう。
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