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No Sweat / GEORDIE
失恋船長 ★★★ (2025-05-28 02:04:39)
ブライアン・ジョンソンが抜けた後、バンドの活動は暗礁に乗り上げる。ヒット曲もあるし、英国以外でも積極的な活動が実り人気があったバンドだけに厳しい状況が続いた。GEORDIEⅡもあったくらいだからね。今作は1983年に英国のNEATからリリースされたフルアルバム。シンガーにはドクター・ロブことロブ・ターンブルが参加。彼の伸びやかでクリーンな歌声は、新しい可能性を示唆、音楽性もメロディアスな作風に傾倒するも、後半ではAC/DCばりのストロングなロックナンバーが顔を出し、GEORDIEというバンドの守備範囲の広さに舌を巻く。
個人的にはドラムのブライアン・ギブソンのカッコ良さ、彼のパワフルなリズムプレイがバンドサウンドにメリハリを付け、その芯の太いリズムに唸る。そこに絡むベースのトム・ヒルとの相性も良く、この二人が屋台骨となりバンドサウンドを支えている事に気づかされるでしょう。

高い音楽性を有するも時代的にはNWOBHMの勢いは凄まじいモノがあり、そして訪れるヘヴィメタルという新ジャンルの確立。GEORDIEにとっては、やや分が悪いと言えなくもないが、彼らにとっては古典ロックの凄みをメロディアスな味付けで懐柔、新機軸を打ち出した音楽性は、時代に打ち勝つには十分なインパクトを誇る。

たらればを行っても仕方が無いのだが、もう少し強力なレーベルと手を組めれば、今作はもっと認知されたろう。日本では人気薄のバンド。しかし④みたいなメロディアスなロックは十分にウケが良さそうだ。ロックの基本形を感じさせるシンプルかつハードなサウンド。小手先のテクニックではない、バンドが培ったタイム感は最高にクールでカッコイイ響きを持っている。

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